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電子マニフェストとは?わかりやすく解説

産業廃棄物の排出事業者は、産業廃棄物の処理を収集運搬業者や処分業者に委託する場合、それらが委託契約どおり適正に処理されたことを把握・管理し、不法投棄などが起こらないようにするために、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を各業者に交付しなければなりません。これを「マニフェスト制度」と言い、制度が始まった当初は紙によるマニフェストの交付が中心でしたが、近年ではインターネットを用いた電子マニフェストも広く使われるようになってきました。電子マニフェストとは、排出事業者、収集運搬業者、処分業者間のマニフェスト情報をネットワークでやりとりすることによって、スムーズかつ効率的な運用と管理を実現するものです。ここでは、電子マニフェストの概要やメリットについて詳しく解説していきます。

紙マニフェスト×電子マニフェスト徹底比較

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紙マニフェスト×電子マニフェスト徹底比較

電子マニフェストの導入を検討している産廃担当者社の方向けに、概要やメリットについて詳しく解説します。

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01マニフェスト制度

マニフェスト制度とは、産業廃棄物の排出事業者が、収集運搬業者や処分業者に対してマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付し、処理状況の把握・管理や不法投棄などの防止に努める旨が定められた制度のことです。

マニフェスト制度が導入された背景

マニフェスト制度がなかった時代は、排出事業者は委託した産業廃棄物が、いつ運ばれ、いつ処理されたのかが明確にわからず、不法投棄等を未然に防ぐのが困難な状態になってしまっていました。

こうした状況を鑑み、産業廃棄物の排出事業者が、収集運搬業者や処分業者に委託した処理の流れをしっかりと把握し、不法投棄などの防止や適切な処理の確保を目指して、マニフェスト制度は作られました。

マニフェストの対象者

マニフェストは、産業廃棄物の処理を他人に委託する場合に適用され、排出事業者はマニフェストを交付する必要があります。ただし、例えば市町村や都道府県に産業廃棄物の処理を委託する場合や、古紙や鉄くずなど、再生利用の目的となる産業廃棄物の処理を委託する場合や排出事業者が自ら産業廃棄物を処理する場合などは、例外的にマニフェストの交付は不要となります。

マニフェストの提出先

マニフェストを交付した排出事業者は、廃棄物処理法第12条の3第7項に基づき、事業場ごとに前年度(4月1日〜3月31日までの期間)のマニフェスト交付等の状況を都道府県知事等に提出する必要があります。

一方、電子マニフェストを利用している場合は、日本産業廃棄物処理振興センターが電子マニフェスト登録分を都道府県知事等に提出するため、排出事業者は手続きする必要がなくなります。

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02紙マニフェストの利用方法

電子マニフェストについて説明する前に、まずは従来のやり方であった紙マニフェストの利用方法について解説します。

紙マニフェスト記載事項

全産連マニフェスト伝票
建廃マニフェスト伝票

マニフェストには、以下の記載事項を漏れなく記載しなければなりません。

  • 管理票の交付年月日及び交付番号
  • 運搬又は処分を委託した者の氏名又は名称及び住所
  • 産業廃棄物を排出した事業場の名称及び住所
  • 管理票の交付を担当した者の氏名
  • 運搬又は処分を受託した者の氏名
  • 運搬先の事業場の名称及び住所
    (積み替え又は保管を行う場合は、その住所)
  • 産業廃棄物の荷姿
  • 最終処分を行う場所の住所
  • マニフェストを交付した者の氏名又は名称及び交付番号
    (中間処理業者の場合)
  • 処分を委託した者の氏名又は名称及び規則第八条の三十一第三号に規定する登録番号
    (中間処理業者で、排出事業者が紙マニフェストを使用している場合)
  • 産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合はその旨
    (排出事業者が電子マニフェストを使用している場合)

紙マニフェストの運用フロー

マニフェストは、排出事業者・収集運搬業者・処分業者の間を行き来する伝票で通常A・B1・B2・C1・C2・D・Eの7枚複写式になっており、産業廃棄物の種類と行き先ごとに交付されます。

紙マニフェストの運用フロー

1:交付

排出事業者がマニフェスト(7枚複写 A・B1・B2・C1・C2・D・E)に必要事項を記入し、収集運搬業者にマニフェストを交付。この際、排出事業者は収集運搬業者の署名・捺印を得た「A票」を返却してもらいます。

2:運搬

産業廃棄物を処理場まで運搬すると、今度は収集運搬業者から処分業者に対して、先ほど排出事業者に返却した「A票以外のマニフェスト」を渡します。この際、収集運搬業者は処分業者に署名をしてもらった「B1・B2票」を返してもらい、「B1票」を控えとして保管し、「B2票」を排出事業者に送付します。

3:処分

処分業者は作業完了後、「A・B1・B2票以外のマニフェスト」に署名。「C1票」を控えとして保管し、「C2票」を収集運搬業者に送付、「D票」を排出事業者に送付。これが最終処分となる場合、「E票」も排出事業者に送付します。
上記の処分業者が中間処理業者の場合、その処理業者は2次マニフェストを作成・交付し、最終処分が終了した段階で、「E票」を排出事業者に送付します。

4:最終的な伝票の所在

マニフェストの交付及び各所の作業が滞りなく完了した場合、排出事業者の手元には「A・B2・D・E票」、収集運搬業者の手元には「B1・C2票」、処分業者の手元には「C1票」が残る形となります。

紙マニフェスト利用時のデメリット

これまで主流として使用されてきた紙マニフェストですが、紙という実物が存在するため、その保管・管理に大きなマンパワーが必要となってしまう点が、一つのデメリットとして挙げられます。またしっかり保管・管理ができていないと、いざ必要になった時に探すのに苦労してしまうこともあるでしょう。

加えて、紙に手書きで記入する以上、記入漏れや記載ミスなどが起こりえる可能性は常に存在します。もしミスがあれば、その修正や対応に再び大きなマンパワーを割かなければならなくなるため、これもデメリットの一つと言えます。

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03電子マニフェストとは

従来は紙の書類で保存する紙マニフェストが利用されていましたが、より管理を簡易化するために電子マニフェストが導入されました。電子マニフェストの概要やメリットについて具体的に見ていきましょう。

電子マニフェストの概要

電子マニフェストとは、排出事業者、収集運搬業者、処分業者のマニフェスト業務効率化を図るために導入された制度で、1998年12月より運用が開始されました。紙の書類でやりとりしていたマニフェスト情報を電子化し、情報処理センターを介したネットワークでやりとりすることによって、スムーズかつ効率的な運用と管理を実現するものです。
廃棄物処理法第13条の2の規定に基づいて、公益財団法人日本廃棄物処理振興センターが情報処理センターとして指定されています。電子マニフェストを運用するためには、日本廃棄物処理振興センターが運営する電子マニフェストシステム(JWNET)へ加入する必要があります。なお、自社が電子マニフェストシステムに加入していても、取引のある排出事業者や収集運搬業者、処分業者が加入していなければ、電子マニフェストを利用できないため注意しなければなりません。

電子マニフェストのメリット

電子マニフェストにはさまざまなメリットが存在します。ここからは、電子マニフェストのメリットを4つ解説していきます。

1事務処理の効率化

電子マニフェストのメリットは、事務処理を大幅に効率化できる点にあります。紙の書類に記入していた作業を、インターネット上の電子マニフェストシステムで行えるようになるため、事務作業の手間を削減することが可能になります。
日本廃棄物処理振興センターによると、紙マニフェストに比べて電子マニフェストは年間3,000時間の事務処理時間圧縮につながるとされています。また、都道府県などへの報告は情報処理センターが代行するため、報告の手間もかかりません。

2法令順守とミスの防止

入力必須項目はシステム上で管理されているため、法令を遵守しながら記載ミスを防ぐことができます。終了報告の期限が迫るとアラートが表示されるので確認漏れを防止することも可能です。

3データの透明性

電子マニフェストでは廃棄物の処理状況をリアルタイムに確認することができます。排出事業者、収集運搬業者、処分業者のマニフェストを相互閲覧できるため、不適切なマニフェストの登録を防ぐことが可能になります。

4保管が不要

紙マニフェストは5年間の保管義務が課されているため、膨大な書類の保管場所を確保しなければなりません。一方、電子マニフェストは情報処理センターが保管するため、保管スペースの確保や管理が不要になります。

紙マニフェストの運用フロー

電子マニフェストの義務化

2020年4月1日から、前々年度の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く)の発生量が年間50トン以上の事業場を設置している排出事業者は、当該事業場から生じる特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く)の処理を委託する場合、電子マニフェストの使用が義務付けられます。

電子マニフェスト導入の準備

電子マニフェストを導入する場合、日本廃棄物処理振興センターに対し、Webか書面にて加入手続きを行う必要があります。加えて電子マニフェストを効果的に活用していくためには、インターネットに接続できるパソコンを準備したり、運用ルールを決めたりと導入までにやるべきことがいくつか存在します。また、年間基本料や使用料などのコストがかかるため、そのための予算を確保することも必要です。

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04電子マニフェストの利用状況

条件によっては利用が必須となる電子マニフェストですが、義務としてやらなければならない以上にたくさんのメリットをもたらしてくれるため、加入者および利用件数は年々向上しています。
電子マニフェストの運営元であるJWNETの集計によれば、加入者数の推移については、以下の表の通りとなっています。

年度

加入者数

加入者の内訳

排出事業者

収集運搬事業者

処分業者

2017

192,254

165,339

18,309

8,546

2018

220,010

191,583

19,581

8,846

2019

240,099

209,923

21,063

9,113

2020

271,587

239,435

22,738

9,414

2021

296,702

262,851

24,211

9.640

※2021年12月31日現在

表を見るとわかる通り、電子マニフェストの加入者は年々増加しており、今後も上昇していくことが予想されています。上でも解説した通り、電子マニフェストは排出事業者から処分業者まで、関係者全員が加入していなければ利用できないため、場合によっては「電子マニフェストに加入していない業者には委託できない(委託を受けられない)」といったケースも起こりやすくなるかもしれません。現時点で電子マニフェストの利用が義務付けられていない事業者であったとしても、なるべく早めの加入を検討した方が良いでしょう。

またJWNETでは、電子マニフェストの年間登録件数と、マニフェスト総数を5,000万件として算出した電子化率も出しており、その中身は以下の表のようになっています。

年度

年間登録件数

電子化率

2017

26,646,875

53.3%

2018

28,964,671

57.9%

2019

31,304,330

62.6%

2020

32,555,470

65.1%

2021

35,075,000

70.2%

※2021年12月31日現在

こちらの数字も年々上昇しており、電子マニフェストの普及率がどんどん高まってきているのがお分かりいただけたのではないでしょうか。

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05e-reverse.com導入のメリット

紙マニフェストのデメリットを解消してくれ、さまざまなメリットをもたらしてくれる電子マニフェストですが、一方で導入の難しさや操作の難しさが挙げられるケースも少なくありません。

そこでおすすめなのが、電子マニフェストサービス「e-reverse.com(イーリバースドットコム)」です。

e-reverse.comは、PC操作が苦手な方でも、難しい産廃専門用語を知らない方でも、「わかりやすい」「使いやすい」システムです。
日本廃棄物処理振興センター(以下、JWNETと表記)のみの運用では、現場の運用に則した機能やサポートがなく、なかなか業務効率に繋がりません。
しかし、e-reverse.comでは、簡単な操作ですぐに必要な情報へたどり着ける操作性や画面デザインの見やすさ等、「現場での操作が非常にシンプルでサポートの必要もなく、現場にとってはほぼメリットしかない」とお客様に好評です。

主な機能としては、24時間いつでもスマートフォンやパソコンでマニフェストの登録、参照などができ、またマニフェスト登録もあらかじめ設定された項目を選択していくだけで完了するため、作業効率を大きく引き上げてくれます。

また法定必須項目をシステムで制御されているため、入力不備や記載ミスが発生することもありません。
加えて、報告期限が切れる前や超過してしまった際には、照会画面やメールで通知が来るようになっており、法令違反リスクを大きく低減することもできます。

e-reverse.com導入のメリットは、操作性や機能面だけではありません。
導入前から導入後まで徹底したフォロー体制も充実しております。

入会専門の窓口を設置したり、導入後の初期設定や万が一操作で行き詰まった時は、システムの操作方法やトラブル時のお問合せ窓口として、カスタマーサポートを設けております。
また、ご導入の検討時には、営業担当より機能の説明や操作の説明をさせて頂くにとどまらず、委託先処理会社の調査や社内運用フローのご提案、社内稟議を通すお手伝い等、お客様の実運用に踏み込んだ様々なサポートを行います。

電子マニフェストに不慣れなご担当者様でも、簡単で手間をかけずに、産業廃棄物を効率的に管理できるよう、導入前から導入後まで、イーリバースドットコムにお任せください。

JWNETとe-reverse.comの違い

JWNETの場合

  • 1

    電子マニフェスト登録

    ここが手間

    「排出」のたびに事前に受け渡し確認票を作成し、1データ毎に入力作業が必要

    ここが落とし穴

    許可証情報・委託契約との連携がなく、法的リスクが残る

  • 2

    運搬終了報告

  • 3

    中間処理報告

    6最終処分報告

  • 4

    二次マニフェスト発行

    5二次マニフェスト
    E表の返却

ここが手間

「排出」のたびに事前に受け渡し確認票を作成し、1データ毎に入力作業が必要

JWNETのみの運用では現場の運用に即した機能やサポートがなく、業務効率につながらない…。

e-reverse.comの場合

  • 1

    電子マニフェスト作成

    ここがポイント!

    収集運搬業者が電子マニフェスト作成代行

    ここがポイント!

    許可証情報・委託契約情報の登録が必須なので、法的リスクをカバー

  • 2

    電子マニフェスト承認

    ここがポイント!

    承認するだけ!

  • 3

    運搬終了報告

  • 4

    中間処理報告

    7最終処分報告

  • 5

    二次マニフェスト発行

    6二次マニフェスト
    E表の返却

ここがポイント!

集計したデータをExcel出力し、各報告資料に使える!

現場運用に即した様々な機能をご用意。充実のサポートで運用まで完全バックアップ。

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