説明会レポート
2016年9月13日(火)・15日(木)、名古屋市西区(会場:名古屋プライムセントラルタワー)と福岡市博多区(会場:博多バスターミナル)にて、「電子委託契約Webサービス er-contract導入事例発表会」を開催いたしました。
名古屋では東海中部地方に拠点を置く排出事業者様25社(46名)、福岡では北九州地方に拠点を置く排出事業者様26社(35名)にご参加いただきました。
開会挨拶
株式会社イーリバースドットコム営業部部長 岡部 貴史
開会に先立ちまして、営業部部長・岡部貴史より、全国に拡大・定着しつつあるer-contractの現状について発表がありました。今後も更に多くのユーザ様にお使いいただけるようエンハンス向上に努めていくとともに、ぜひとも今回の説明会が導入の契機になればとの挨拶で開会いたしました。
行政報告支援サービス「多量排出行政報告支援サービス」※1のご紹介
株式会社イーリバースドットコム 小坂 翔太
営業部第5グループ・小坂翔太より、2016年4月に当社よりリリースされた行政報告支援サービス「多量排出行政報告支援サービス」の概要についてご説明いたしました。
※1 「多量排出行政報告支援サービス」とは、当社が提供するオプションサービスの一つで、Excelに必要情報を記載し当社へメールで送ると、行政提出用のデータが届くというものです。このサービスを利用することで、産業廃棄物処理計画書、及び産業廃棄物処理計画実施状況報告書の作成作業が軽減されるというメリットがあります。(全国117行政のすべての最新様式に対応、前年度データ保管可能)
er-contract概要説明
株式会社イーリバースドットコム 大前 俊介
営業部第4グループ・大前俊介より、er-contractの概要説明と、処理委託契約を電子化することで享受できるメリットや付加価値について、資料をプロジェクターで投影しながら一つずつ丁寧にご説明いたしました。
e-reverse.com、er-contract 機能リリースに関するニュース
株式会社イーリバースドットコム 向井 淳
営業部第2グループ・向井淳より、当社の最新ニュースや各種コンテンツ、ウェブでのご入会案内など、お客様のお役に立つ情報をご紹介いたしました。
er-contract導入事例発表
事例発表は排出事業者様2社、処理業者様2社に行っていただきました。
Ⅰ.名古屋会場
産廃処理業者様 導入事例発表
誠美社工業株式会社 営業課長 冨田 康裕 様
処理業者としての導入・運用後の結果とメリット
- 10年分の委託契約書のデータが保存されるため、控えの保管が不要。当社では契約件数が5年で約6,000件にもなるため、省スペース化が実現可能になる。
- 原本の郵送・持参等がないこと。また印紙を管理するコストと手間が不要のため業務の時短を図れる。
- データ入力が容易で委託契約書を作成しやすい。以前の契約内容をコピーして使うことができるのが便利。作成段階でのミスが軽減し、また修正もスムーズに行うことができる。
- 許可証等のデータ添付が容易。許可証、車両一覧、経路図のPDFデータを共有・確認できる。
今後の要望
- 共通データを修正する場合に個々に修正する必要がある。1回の修正で個々の契約データに反映されると便利。
- 契約書作成や内容確認の際、データ項目が豊富な為、見にくい・扱いにくいと感じることがある。契約書作成画面や契約内容確認画面をもっと見やすく扱いやすいスマートな仕様にしてほしい。
排出事業者様 導入事例発表
戸田建設株式会社 名古屋支店
建築環境・品質管理部 品質管理課・環境管理課
主任 西方恭也 様
導入の経緯
er-contractについて下記の3つのメリットを感じ、本社にて導入を決定した。
- 契約締結までの迅速化:急な搬出であってもコンプライアンスに則った対応が可能。契約なしでの搬出のリスクを回避できる。
- 産廃契約とマニフェスト交付の一体管理:従来は契約していなくても、マニフェストを交付できてしまうが、er-contractは一体管理のため防止できる。
- 印紙負担の軽減:本来は契約当事者で折半が原則であるが、産廃業者負担の場合が多い。er-contractは印紙税不要のため、産廃業者の負担を軽減できる。
電子マニフェストの推進
- 支 店:優良認定業者を中心に“電子マニフェストを導入している 産廃業者”を、名古屋支店の推薦会社として地区ごとに選定。支店の推薦会社の中から産廃業者を採用。
実際に利用して感じた3つの大きなメリット
- 搬出が可能となるまでの時間が半日以下(登録の高速化)
- 廃掃法に抵触する処理の抑止(リスク低減)
- 人件費・経費等の削減(経費削減)
er-contractのデメリット
- 処理業者もer-contractの加入が必要
- 契約が1ルート毎の契約となる(1運搬・1処分)
- er-contractの料金発生 (ただし、経費全体では紙使用より安価)
- 電子契約の認知度が低い
作業所・支店の声
- 原本のやり取りがない分、とにかく契約締結までが早く、手書きがないので間違いが少なく楽である。また、作業所の取り間違いがない。
- 導入時は慣れるまでに時間を要する。
Ⅱ.福岡会場
産廃処理業者様 導入事例発表
株式会社NRS 営業部 石井 祐也 様
er-contractの運用状況
- 契約書作成から契約締結までの時間:平均2日以内(早ければ当日)
- 契約締結までの現場往復回数:1回
- 契約書作成にかかる時間:新規作成15分(コピー作成機能を利用すれば5分)
感想:作成した後の確認作業を加味するとer-contractを利用したほうが早い
- 契約書作成時の留意事項:本社(支店)担当者様が登録されたマスター情報を選択するだけなので間違いがない
- 契約締結後の留意事項:締結後10年間自動保管されいつでも簡単に閲覧が可能
- 契約締結後の契約変更(委託契約期間、添付書類など):平均2日以内
er-contractの課題
- 本社(支店)と処理業者は理解しているが、現場担当者の認識が低い
→本社(支店)からの指導や、処理業者営業マンのフォローで解決できる - 利用業者が少ないことにより、システム自体の認知がまだ低い
→ この説明会を機に是非導入していただきたい - スマートフォンで見ることができるが、画面が小さい
→システム改修の要望
排出事業者様 導入事例発表
上村建設株式会社 工事管理部 主任 持橋 博之 様
導入の経緯
- 契約書の不備が多く、催促しても中々訂正しない。送付自体も遅いことが多々ある。電 子マニフェスト運用(廃棄物排出)ができる業者なのに紙マニフェストを使用することになり電子マニフェストを有効に運用できない。⇒er-contractの導入を決定。
今後の要望
- 契約承認の通知を現場担当者に送れるようにしてほしい
- 現状の仕様では承認回答は処理業者にしか通知されず現場担当者がいつ契約締結したかログインしなければ把握できない。実現すれば、現場担当者がいつ契約締結したか把握できるようになる。
※説明会終了後、9月27日(火)に当該機能をリリースしました。
- 運搬契約と処分契約の場合、契約品目と予定数量が異なる場合はチェックしてアラームが表示されるようにしてほしい
- 両契約を画面上では表示させることは出来るが、見比べにくい。見比べるために印刷するのであれば電子契約の意味が薄れる。
- 契約満了(予告・間近)通知をまとめて送ってほしい
- 解体現場のような複数の運搬会社、処分会社と契約するような現場の場合、契約満了通知メールが10通同時に来ることもある。⇒同じようなメールが複数くることにより本当に大事な通知メールを見落とすことを防ぐことにもなる。
※上記のシステム改修を株式会社イーリバースドットコムの営業担当に要望として伝えている。
協力会社(処理業者)アンケート結果
事前に協力会社(処理業者)に対してアンケートを実施し22社から回答があった。
《メリット》
- 事務作業の効率化・・・・・・・・・・・・・・15社
- 契約締結までの時間短縮・・・・・・・・・・・9社
- 契約の訂正(修正)が簡単・・・・・・・・・・8社
- 保管の手間と紛失の心配がない・・・・・・・・8社
- コンプライアンス強化・・・・・・・・・・・・5社
- 印紙不要によるコスト削減・・・・・・・・・・5社
- 契約作成時間の短縮・・・・・・・・・・・・・4社
- 締結後すぐに電子マニフェスト運用可能・・・・1社
《デメリット》
- 利用頻度少、印紙税不要のメリットがない ・・・2社
- 補足で入力する内容が漏れることを懸念・・・・1社
- 導入間もないため操作に戸惑う・・・・・・・・1社
- 単位が選択式のため備考欄に補足が必要・・・・1社
- 対面でのコミュニケーション機会の減少・・・・1社
《その他》
- er-contract導入する排出事業者(処理業者も)が増えてほしい ・・・6社
※有用な資料である為、掲載させていただきました。ご協力いただき、誠に有難うございました。
質疑応答
太啓建設株式会社 / 中村様
Q. 公共工事などの際に、印鑑を押していないからという理由で、再度押印した委託契約書の提出を求められたことがある。官公庁・行政に提出する際に懸念される点や注意することはありますか。
A. 当社で取り扱うer-contractは、処理委託契約に関する各種法令、第九号保存に関する環境省が所管する法令に基づいて委託契約が取り交わされているという裏付けがあるので、ご安心ください。なお、官公庁に書類を提出する際には、担当官が電子委託契約に精通しているかどうかでご説明が必要な場合があります。初めて電子委託契約を提出する場合は確認されることがあるが、法的要件は満たしているので、いずれの場合も、資料を以て説明をすれば拒否される理由はありません。(石川県金沢市にて行政より電子委託契約OKの回答実績あり)
矢作建設工業株式会社 / 高野様
Q.1 委託契約期間と許可期間について、警告がでる仕様になっているという説明があったが、廃棄物の予定数量をオーバーする場合に関しては警告が出るか。予定数量を超えても排出することは利用可能か。
A.1 現状では、予定数量がオーバーするという機能はなっておりません。予定数量を超えても利用は可能です。
Q.2 通常の紙の委託契約書だと排出に係る費用に対して印紙代がかかるが、これは気にしなくてもいいという認識で大丈夫か。
A.2 電子委託契約を使用した場合には、印紙代がかからないので、その通りです。
Q.3 電子委託契約をした場合、内容に変更があれば都度課金されるのか。
A.3 一度電子委託契約をしていただければ、変更に関して再度課金するということはございません。
Q.4 包括契約については利用することができるか。料金体系について教えてください。
A.4 可能です。詳しくは料金表をご覧ください。紙面契約であれば予定数量によって印紙の額が変わるが、電子契約であれば関係がありません。個別契約であれば、最初に200円だけ利用料を払うだけ、変更等については何度も課金されることはありません。基本契約については、初年度は5000円の基本料、自動更新の設定をしていれば、次年度も契約更新する場合には1000円の基本料金で更新可能。排出事業者と処理業者の両方に料金がかかります。
名工建設株式会社 / 広瀬様
Q.1 処理業者と電子委託契約をする場合にはどういった流れ(手続き)が必要ですか?
A.1 (e-reverse.comと同じで)業種ごとのer-contractへの加入が必要です。処分業者のみ er-contract を利用している場合には、運搬業者とは紙で委託契約を交わすことになります。運搬業者も er-contractを利用しているならば、業者間で電子委託契約を締結することが可能です。
Q.2 加入金はかかるか?
A.2 e-reverse.comに加入していれば、加入金はかかりません。お申込みいただいたとしてもすぐに料金が発生することはなく、初めて利用した月から課金が開始されます。
閉会挨拶
株式会社イーリバースドットコム 営業部副部長西日本統括 鈴木 弘幸
営業部副部長西日本統括・鈴木弘幸より閉会の挨拶としまして、導入事例発表をしていただいた会社様に感謝の意を表するとともに、改めてer-contract導入検討のお願いをし、閉会となりました。
むすび
今回の説明会開催に伴い、アンケートを実施いたしました。その結果、多数の会員様からアンケートのご協力をいただき、大きな反響、様々なご要望をいただきました。
これら会員様の声に対しては、今後開催される説明会や、システム改修等の参考にさせていただくことは勿論、HP、メールマガジンなどでその進捗やスケジュールを随時発表させていただきます。
今後とも株式会社イーリバースドットコム「電子委託契約Webサービス er-contract」を宜しくお願いいたします。
※具体的な詳細内容、ご要望内容などをご所望される方は、当社までお問い合わせ下さい。