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廃棄物処理法違反とは

廃棄物処理法は、廃棄物の処理に関するルール、罰則などが細かく規定されており、産業廃棄物に関わる事業者はこの法律に則って事業を進めていかなければなりません。ここでは、廃棄物処理法違反に対する罰則の内容、違反の事例などについて解説していきます。

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1. 廃棄物処理法とは

廃棄物処理法は、正式名称を「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」と言います。廃棄物の排出を抑制しつつ、発生した廃棄物をリサイクルなどの適正な処理をおこなうことによって生活環境を守ることを目的として、1970年に制定されました。 同法には、「法律の目的」「廃棄物の定義」「処理・保管等の方法」「責任の所在と罰則」などが定められています。産業廃棄物の排出事業者や処理事業者は、基本的にはこの法律に則って、事業を進めていかなければなりません。

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廃棄物処理法とは|概要・罰則についてわかりやすく解説

廃棄物処理法制定の背景

廃棄物処理法が制定された大きな要因の一つは、高度経済成長によって、大量生産・大量消費型の経済構造が進展したことだと言われています。この法律が制定される以前は、事業活動によって排出される各種の廃棄物は、適切に処理されず廃棄されてしまうことが少なくありませんでした。さらに処分場の不足、処理費用の高騰などにより、不法投棄・不適正保管をする業者も増えてしまっていました。こうして、大気汚染や公害などの問題が顕在化されていく中で、廃棄物処理法の必要性が高まり、制定されたのです。

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2. 廃棄物処理法違反の罰則

廃棄物処理法の罰則は、違反内容によって異なります。違反内容によっては、違反してすぐに罰則が科せられないケースもあります。その場合、平常時に立ち入り検査や報告徴収がおこなわれ、違反事項があった場合に行政指導へ移行します。軽微な違反の場合は口頭指導と担当者名指導票が交付され、一定程度以上の違反の場合は文書通知がなされ、改善計画書の提出が求められます。

この後、是正が見られない場合は行政処分として改善命令や措置命令が下され、命令が遵守されない場合は事業停止や取り消し処分がなされた上で、刑事罰が要求されます。対象となる事業者、違反の内容によって、主に以下のような罰則が科されます。

排出事業者・処理業者の双方に科される罰則

廃棄物の不法投棄(未遂を含む)

5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはこの併科(法人については3億円以下の罰金)

契約書の作成義務違反、許可証の添付漏れなど

3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこの併科

マニフェストの不交付、法定記載事項の記入もれなど

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

排出事業者に科される罰則

無許可業者への産業廃棄物処分委託

5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはこの併科

虚偽管理票交付(運搬または処分を受託していないにも関わらずマニフェストを交付)

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

特別管理産業廃棄物管理責任者設置義務違反

30万円以下の罰金

処理業者に科される罰則

無許可営業

5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはこの併科(法人については3億円以下の罰金)

施設改善命令・使用停止命令違反

3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはこの併科

管理票写し送付義務違反

1年以下の懲役または100万円以下の罰金

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3. 廃棄物処理法違反の事例

過去に廃棄物処理法に違反した事例を見ていきましょう。

不法投棄の事例

土砂採取業者が処分業許可外の廃油、汚泥、廃プラスチックなどの廃棄物を長年にわたっておよそ94万トン不法投棄し、地下水や土壌の汚染、悪臭、野焼きによる環境悪化、また風評被害や経済的損失、住民の健康被害などをもたらしました。

委託基準違反容疑の事例

大手ゴム製造会社が、自社の工場から排出された煤塵(ばいじん)の混ざった汚泥の処分を、汚泥の処理許可は受けているものの煤塵処理の許可を受けていない業者に委託したため、家宅捜索を受けました。

名義貸し・マニフェスト虚偽記載の事例

産業廃棄物収集運搬・処分業者が、排出事業者から受託した産業廃棄物の収集運搬を、収集運搬業の許可を受けていない業者に自己の名義を使用しておこなわせ、マニフェストに虚偽の記載をして排出事業者に送付したため、同社は、産業廃棄物収集運搬・処分業の取消を受けました。

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4. 廃棄物処理法の注意点

廃棄物処理法は、社会の進展によって廃棄物の種類や量が増え、それにともなって健康被害や環境問題が生じないよう、時代に合わせた改正がたびたびおこなわれています。最近では、2017年に法改正がおこなわれ、年間50トン以上の産業廃棄物を排出する事業者に対して、電子マニフェストの使用が義務づけられています(2020年4月1日施行)。排出事業者は、産業廃棄物の適正な処理をおこなうために、法改正の情報にはつねに気を配る必要があります。

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