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マニフェストA票とは

マニフェスト(産業廃棄物管理票)は、産業廃棄物の排出事業者が外部の業者に処理を委託する際に交付しなければならない専用の伝票です。ここでは、マニフェストのうちA票について、その役割や保管の必要性などを解説していきます。

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1. マニフェストA票とは

まずマニフェストは産業廃棄物の処理が適正におこなわれたか確認するための伝票であり、7枚つづり(A票、B1票、B2票、C1票、C2票、D票、E票)の複写式になっています。 マニフェストA票とは、産業廃棄物の排出事業者が運搬業者にマニフェストを交付する際、排出事業者が手元に保管しておく伝票です。運搬業者から返ってきたB2票、処分業者から返ってきたD票、E票を排出業者が自社で保管しているA票と照らし合わせることで、各処理工程が委託内容どおりに適正におこなわれたかどうかを確認します。チェックすべきポイントは、以下のとおりです。

  • 処分が完了した年月日、処分をおこなった場所が記載されているか
  • 処分をおこなった場所は、契約書に記載された場所と一致しているか
  • B2票、D票、E票の返送日付(期限内に返送されてきたか)
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2. マニフェストA票の書き方

マニフェストは7枚つづりの複写式で、直接記入が必要なのは1枚目のA票のみです。A票の各項目に排出事業者が記入する内容は、以下のとおりです。交付番号は事前に印字されており、この番号を用いて管理をおこないます。ここでは、事業系マニフェストの書式をもとに説明します。

  • ①マニフェストの交付年月日
  • ②マニフェストの交付担当者の氏名または名称、住所、電話番号
  • ③産業廃棄物を排出した事業場の名称、所在地、電話番号
  • ④該当する産業廃棄物の種類をチェック
  • ⑤排出する産業廃棄物の数量、荷姿、名称、処分方法など
  • ⑥「委託契約書記載のとおり」をチェックするか、最終処分場の名称、所在地を記入
  • ⑦運搬業者の氏名または名称、住所、電話番号、運搬先の事業場の名称、所在地、電話番号
  • ⑧処分業者の氏名または名称、住所、電話番号(積替えまたは保管をおこなう場合は、その名称、所在地、電話番号)
  • ⑨運搬業者の氏名または名称、担当者の氏名(サインもしく受領印)
  • ⑩B2票、D票、E票が返送されてきたら照合確認し、その日付を記入
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3. マニフェストの運用方法

マニフェストを運用することで廃棄物の処理工程ごとの状況が把握できる

排出事業者はマニフェストに環境省令で定められた事項を記載して交付し、廃棄物の処理工程ごとに業者から終了の報告(写しの返送)を受けることによって、産業廃棄物の最終処分までの処理状況を把握することができます。

A票からE票までの伝票ごとの流れ

A票:排出事業者が保管

廃棄物を排出したとき、排出事業者がマニフェストに必要事項を記入して運搬業者に交付し、運搬業者の受領サイン後、A票を切り取って保管します。

B1票:運搬終了時に運搬業者が保管

運搬業者は、排出事業者から引き取った廃棄物の処分業者への運搬が終了したら、終了年月日を記入して保管します。

B2票:運搬終了後に運搬業者から排出事業者に返送

B2票はB1票とともに切り取って、排出事業者に返送します。排出事業者はB2票が手元に届いたら、運搬が終了したことを確認します。

C1票:処分終了後に処分業者が保管

処分業者は、廃棄物の処分が終了したら、C1票に終了年月日を記載してC2票、D票とともに切り取り、C1票は手元に保管します。

C2票:処分終了後に処分業者から運搬業者に返送

廃棄物の処分が終了したら、処分業者から運搬業者に返送します。運搬業者は手元にC2票が届いたら、処分が終了したことを確認します。

D票:処分終了後に処分業者から排出事業者に返送

廃棄物の処分が終了したら、処分業者から排出事業者に返送します。排出事業者には手元にD票が届いたら、処分が終了したことを確認します。

E票:最終処分終了後に処分業者から排出事業者に返送

処分業者が中間処理業者として処理後に発生した廃棄物(例:木くず焼却後の焼却灰など)をさらに運搬業者、最終処分業者に委託処理する際は、中間処理業者がマニフェストを交付します(二次マニフェスト)。二次マニフェストも、排出事業者が交付したマニフェスト(一次マニフェスト)と同様の流れで保管、返送、確認がおこなわれます。
最終処分業者から中間処理業者(処分業者)に二次マニフェストのE票が返送されてきたら、確認のうえ一次マニフェストのE票に最終処分先、最終処分終了の年月日を転記して、排出事業者に返送します。排出事業者は手元にE票が届いたら、最終処分が終了したことを確認します。

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4. マニフェストA票の保管の必要性

マニフェストの保管期間は、廃棄物処理法で定められています。A票については、マニフェストを交付した日から5年間保管する必要があるとされています。かつて、A票は保管義務がありませんでしたが、2011年の廃棄物処理法改正によって5年間の保管が必要になりました。A票の保存を義務づけることで、返送されてくるB2票、D票、E票の記載内容に間違いがないかどうか確認することを意識づける意味合いが大きいと考えられます。保管義務に違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。

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5. マニフェストA票のよくある質問

Q

マニフェストA票の役割とは何ですか?

A

マニフェストA票とは、産業廃棄物の排出事業者が運搬業者にマニフェストを交付する際、手元に保管しておく伝票です。排出事業者は、運搬業者から返ってきたB2票、処分業者から返ってきたD票、E票をA票と照らし合わせ、各処理工程が適正におこなわれたかどうかを確認します。

Q

A票とB2票、D票、E票を照合確認する際のポイントは何ですか?

A

照合確認においてチェックすべきポイントは、以下のとおりです。

  • 処分が完了した年月日、処分をおこなった場所が記載されているか
  • 処分をおこなった場所は、契約書に記載された場所と一致しているか
  • B2票、D票、E票が返送期限内に返送されてきたか

Q

マニフェストA票は保管する必要がありますか?

A

マニフェストA票の保管期間は、廃棄物処理法によって、排出事業者がマニフェストを交付した日から5年間と定められています。かつては保管義務がありませんでしたが、2011年の法改正によって5年間の保管が必要になりました。

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