20ある産業廃棄物の種類の1つである「ゴムくず」。実はゴムくずの定義は細かく定められており、ゴム製の廃棄物が必ずしもゴムくずに分類されるとは限りません。ここでは、ゴムくずの定義や注意点、処理方法などについて、詳しく解説していきます。
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「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました
新しく産廃担当者となった方向けに、廃棄物処理法を中心に知っておくべきことを簡単に紹介します。
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1. ゴムくずとは
ゴムくずとは、事業活動によって生じた天然ゴムを主原料とした産業廃棄物のことです。ゴム製の廃棄物がすべてゴムくずに分類されるわけではなく、合成ゴムを主原料とした廃棄物は廃プラスチックに分類されます。廃棄物処理法第2条第4項および施行令第2条でゴムくずは20ある産業廃棄物の種類の中の1つとして定義されています。ゴムくずの具体的な種類としては、天然ゴムの切断くずや裁断くず、ゴム引布くず、エボナイトくずなどが挙げられます。
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2. 天然ゴムと合成ゴムの違い
それでは、産業廃棄物の分類も異なる天然ゴムと合成ゴムの違いについて説明します。天然ゴムとは、ゴムノキから採取される樹液であるラテックスを加工して作られるものです。天然ゴムの生産地はタイやインドネシア、マレーシア、ベトナムといった東南アジアが主で、タイヤ・チューブや布テープの接着剤、輪ゴムなどに活用されています。天然ゴムは熱や薬品類に弱い特性がありますが、強度や弾力、耐摩耗性などは合成ゴムよりも優れています。
合成ゴムの原料は主に原油で、石油精製の過程で発生するナフサを用いて製造するものです。合成高分子化合物が含まれるゴムが合成ゴムと呼ばれ、産業廃棄物ではゴムくずではなく廃プラスチック類に分類されます。そのため、合成ゴムが使用されている廃タイヤは、廃プラスチック類として処分する必要があります。合成ゴムは天然ゴムに比べて強度や柔軟性に劣りますが、比較的安価にさまざまな性質をもった製品を作ることができる点で重宝されています。
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3. ゴムくずの処理方法
天然ゴムが原料となるゴムくずの代表的な処理方法として、リサイクルがあげられます。ゴムくずを粉砕してゴムチップ化・製品化したり、焼却処分して焼却灰を路盤材やセメント原料などの資材に活用したりします。リサイクルしない場合は、ゴムくずを破砕、もしくは焼却・溶融などの減容処理をおこない、最終処分場にて埋め立て処分されます。
環境省が発表する令和元年度の「産業廃棄物の排出・処理状況等」 によれば、ゴムくずの年間排出量は17千トン。産業廃棄物全体に占める排出割合としては0.0%となっており、排出量そのものは決して多くはありません。しかし処理状況に関しては、再生利用が63%、減量化が19%、最終処分が18%となっており、再生利用率は産業廃棄物全体の中でも下位に位置。さらに最終処分率に関しては、燃え殻に次ぐ2位の数値となっており、処分に関する課題が残っている産業廃棄物と言えるでしょう。
また、ゴムくずの排出量は年々増加傾向にあり、産業廃棄物の最終処分率も高い水準になっています。自然環境保全に貢献するためにも、輪ゴムなどはできる限り長く利用したり、ゴムくずはリサイクルに出したりすることを心がけましょう。
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