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動物系固形不要物とは

廃棄物処理法で定める20種類の産業廃棄物のうち、最も新しく規定されたものとしてあるのが「動物系固形不要物」です。この動物系固形不要物とはどのような廃棄物を指しているのか、また似た要素を持っている動物のふん尿・死体との違いは何なのかについて、詳しく解説していきます。

「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました

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「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました

新しく産廃担当者となった方向けに、廃棄物処理法を中心に知っておくべきことを簡単に紹介します。

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1. 動物系固形不要物とは

動物系固形不要物とは、20ある産業廃棄物の種類の中の一つで、正式名称を「と畜場法第三条第二項に規定すると畜場においてとさつし、又は解体した同条第一項に規定する獣畜及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律第二条第六号に規定する食鳥処理場において食鳥処理をした同条第一号に規定する食鳥に係る固形状の不要物」と言います。簡単に言えば、食肉処理場や食鳥処理場で処理をした皮、骨、内臓、羽などの使わない部位の固形物だと認識しておくと良いでしょう。

この動物系固形不要物は、正式名称内にも記載がある通り、と畜場や食鳥処理場において排出されるものが対象。そのため、と畜業および食鳥処理業を発生源とした廃棄物のみが、この動物系固形不要物として扱われることになります。 間違えやすいものとして、同様の物が食品加工工場などから排出された場合は「動植物性残さ」となり、と畜場や食鳥処理場で排出された動物の血液は、固形物でないため「廃酸・廃アルカリ」に分類されます。このように同じ動物から排出された産業廃棄物でも分類が異なるものがあるので注意しましょう。

環境省が発表する令和元年度の「産業廃棄物の排出・処理状況等」によれば、動物系固形不要物の年間排出量は70千トン。産業廃棄物全体に占める排出割合としては0.0%となっており、排出量が極めて少ない産業廃棄物の一つと言えます。また処理状況については、再生利用が79%、減量化が19%、最終処分が2%で、リサイクル率は高めです。

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2. 動物系固形不要物の処理方法

動物系固形不要物の処理方法は大きく分けて二つ。焼却処理をおこなった上で焼却灰を埋め立てる方法と、焼却灰をセメント原料や路盤材などにリサイクルする方法があります。

ちなみに動物系固形不要物は、20種類ある産業廃棄物の中でも20番目に規定された、最も新しい種類の産業廃棄物です。産業廃棄物として規定される前は、と畜場で発生した肉や骨はレンダリング業者が買い取って肉骨粉として再利用していたため、そもそも廃棄物の排出がないとされていました。

しかし、2001年に発生したBSE(牛海綿状脳症)、いわゆる狂牛病の影響を受け、上記のようなリサイクルを禁止。その結果、新たに産業廃棄物を設定する必要が生じ、そうして規定されたのが、この動物系固形不要物なのです。

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3. 動物のふん尿・動物の死体とは

動物のふん尿および動物の死体とは、それぞれ20種類ある産業廃棄物の分類の中の一つ。その名の通り、動物が出したふん尿と動物の死体のことです。

動物のふん尿および動物の死体は、上で解説した動物系固形不要物と同じく業種限定があり、畜産農業から発生したもののみが産業廃棄物として分類されます。そのため、例えば製薬会社の研究施設で発生したモルモットの死体や、ペットショップで発生した動物のふん尿などは一般廃棄物になります。

環境省が発表する令和元年度の「産業廃棄物の排出・処理状況等」によれば、動物のふん尿の年間排出量は80,788千トン、産業廃棄物全体に占める排出割合としては20.9%。動物の死体の年間排出量は164千トン、産業廃棄物全体に占める排出割合としては0.0%となっています。また処理状況については、動物のふん尿で、再生利用が95%、減量化が5%、最終処分が0%。動物の死体で再生利用が35%、減量化が62%、最終処分が3%となっています。

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4. 動物のふん尿・動物の死体の処理方法

動物のふん尿には栄養素が多く含まれているため、肥料としてリサイクルされたり、バイオマス資源として活用されたりしています。一方、動物の死体に関しては、動物系固形不要物と同じく焼却処理されたのち、埋め立てられたり、セメント原料や路盤材としてリサイクルされるのが一般的です。

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