廃棄物処理法などで定められる産業廃棄物は20種類に分類されていますが、中には複数の廃棄物をまとめて分類しているものもあります。その代表例とも言えるのが、「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」。ここでは、その中でもガラスくずを中心にコンクリートくずや陶磁器くずとの違いも交えて解説していきます。
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「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました
新しく産廃担当者となった方向けに、廃棄物処理法を中心に知っておくべきことを簡単に紹介します。
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目次
1. ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずとは
産業廃棄物の種類の一つとして分類される「ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず」とは、主に建物の解体によって発生する窓ガラスのくずや、ガラスや陶磁器の製造過程で発生する不良品や廃棄くず、さらには卸業や小売業で発生する使用済み容器など、事業活動によって生じるガラスや陶磁器、コンクリート製の廃棄物のことです。
「産業廃棄物の排出及び処理状況(令和元年度速報値)」によれば、令和元年度のガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずの排出割合は2.4%。わずかな量に感じてしまうかもしれませんが、排出量は9,065千トンにも及ぶのです。だからこそその定義や認識を正しく理解し、間違いのないように処理することが大切です。
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2. ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずの種類
ガラスくずとは、事業活動によってガラスを主原料とした産業廃棄物のことです。具体的には建物の解体時のガラス破片、ガラス製造業における不良品や割れたガラス製品、小売りで発生した仕様済みのガラス容器などがあたります。
ここからは、ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずのそれぞれについて、どのような品目があるのか具体例な品目を使って紹介していきます。
ガラスくずの品目
ガラスくずの代表的な品目としては、以下のようなものがあります。
- 板ガラスくず
- 破損ガラス
- ガラス粉
- ガラスびん
- 蛍光灯
- ガラス管
- ブラウン管
- グラスウール
- カレット
- ロックウール
- ガラスブロック
など
陶磁器くずの品目
陶磁器くずの代表的な品目としては、以下のようなものがあります。
- 土器くず
- 陶器くず
- 磁器くず
- せっ器くず
- 焼結材くず
- フェライトくず
- セラミックくず
- 素焼くず
- 耐火煉瓦くず
- 焼瓦くず
- タイルくず
など
コンクリートくずの品目
コンクリートくずの代表的な品目としては、以下のようなものがあります。
- コンクリートブロックくず
- インターロッキングくず
- 石膏ボードくず
など
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3. ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずの処理について
ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずの処理状況と処理の方法についてご紹介します。
ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずの処理状況
ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずの処理について、「産業廃棄物の排出及び処理状況(令和元年度速報値)」では、全体の73%が再生利用、11%が減量化、16%が最終処分されています。
この値は、数ある産業廃棄物の中での、再生利用率は中上位に位置しており、比較的リサイクルが進んでいると言えるでしょう。しかし、再生利用率トップのがれき類や金属くずは全体の96%も再生利用されており、その差は20%以上あります。また、最終処分の割合も16%で産業廃棄物の中で第3位であることからも、今後、さらに最終処分率の改善やリサイクル率向上の余地が残されていると言えるでしょう。
ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずの処理方法
最後に、ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずの処理方法について、代表的な例を紹介します。
ガラスびん
ガラスびんは、その種類や状態によって大きく2つの処理方法があります。
一つ目が、ガラスびんを洗浄し、中身を入れ替えて「リターナブルびん」として再度出荷する方法。これは、瓶ビールやコーラ瓶など、規格が統一されたものや流通量の多いものが対象となっています。
二つ目が、ガラスを色分けして細かく破砕したのち、再度びんとして製造したり、グラスウールや路盤材といった他の製品に生まれ変わらせたりする方法です。この方法は、使い捨てのびんや傷などによって再利用できないびんが対象となります。
その他のガラス製品
その他のガラス製品は基本的にはガラスびんと同じ処理をしますが、ガラスびんとは違って色々な素材が混ざってしまっている場合もあり、その場合は破砕して埋め立てられるケースが多くなっています。
陶磁器くず
陶磁器くずの多くは、破砕して埋め立てられています。ただ、有田や美濃など製陶業が盛んな地域では、不良品や破損してしまった陶器を破砕し、再度陶器の原料として用いている場合もあります。
コンクリートくず
コンクリートくずはそのほとんどが細かく破砕して再生砕石として利用されたり、セメント原料や路盤材として再利用されたりしています。
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