さまざまな種類がある産業廃棄物の分類の一つに、「安定型産業廃棄物」があります。この安定型産業廃棄物は、どのような種類の産業廃棄物のことを指すのか。その概要や詳しい品目、安定型産業廃棄物ならではの処理方法などについて、詳しく解説します。
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「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました
新しく産廃担当者となった方向けに、廃棄物処理法を中心に知っておくべきことを簡単に紹介します。
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1. 安定型産業廃棄物とは
「安定型産業廃棄物」とは、有害物質や有機物などが付着しておらず、また雨水などにさらされてもほとんど変化しない、生活環境保全上の支障の恐れが少ない産業廃棄物のことです。安定型産業廃棄物でない産業廃棄物は「管理型産業廃棄物」、毒性などの危険性があるものは「特別管理産業廃棄物」と呼ばれ、区別がされています。
ちなみに、この安定型・管理型という分類は、法律用語としてあるわけではなく、最終処分場の種類から行われています。最終処分場は、その埋立地や施設の能力によって「安定型」「管理型」「遮断型」の3つに分けられるのですが、この安定型で最終処分してよいとされる産業廃棄物こそが、安定型産業廃棄物なのです。
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2. 安定型産業廃棄物の品目
安定型産業廃棄物は、20ある産業廃棄物の中の、以下5種類が該当します。
- がれき類
- ゴムくず
- 金属くず
- 廃プラスチック類
- ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず
安定型産業廃棄物は、その名の通り性状などが変化せず、安定した状態を維持できる産業廃棄物です。上記の5種は、その言葉からイメージできるものとして大きな違和感がなく、覚えやすいのではないでしょうか。また安定型産業廃棄物に分類される5種の産業廃棄物は、総称して「安定型品目」や「安定5品目」と呼ばれることもありますので、そちらの名称も覚えておくとよいでしょう。
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3. 安定型最終処分場
最後に、安定型産業廃棄物を処理する安定型最終処分場について解説します。
安定型最終処分場の特徴
安定型最終処分場は、安定型産業廃棄物のみを埋め立てることができる最終処分場です。生活環境保全上の支障が少ない廃棄物を処分するため、地中にある空間をそのまま利用して埋め立てることができ、また埋め立て地と外部とを仕切るための遮水工を必要としません。ただし、埋め立てる前に展開して不純物がないかチェックする展開検査や、浸透水採取設備の設置は義務付けられています。
安定型最終処分場の処理方法
安定型最終処分場に、持ち込まれる安定型産業廃棄物は、有害物質や有機物などが付着しておらず雨水にさらされてもほとんど変化しないという特徴があります。そのため、処理も、そのまま穴を掘り、埋め立て、上から覆土をかぶせるだけのものになり、処分費用も安価になります。ただし先ほどもふれた通り、安定型産業廃棄物以外のものが混ざっていないかを調べる展開検査や浸透水の定期的な水質分析を行う必要があります。
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