排出される量が多く、取り扱いに注意が必要な産業廃棄物。特に保管や運搬の際には、広いスペースが必要になったり、多くの人的コストが必要になったりすることも少なくありません。しかし、そんな産業廃棄物の保管や収集運搬を強力にサポートしてくれる、バッカンというアイテムがあります。ここでは、バッカンの概要やそのメリット等について、詳しく解説します。
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「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました
新しく産廃担当者となった方向けに、廃棄物処理法を中心に知っておくべきことを簡単に紹介します。
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1. バッカン(コンテナ)とは
コンテナとは、底が四角い鉄製の容器の総称です。そしてバッカンとは、コンテナの種類の一つで、専用の装置が付いた車に直接装着することができる設計となっているのが最大の特徴です。腐食しない廃棄物の一時的な保管や運搬を一貫して行うことができるため、産業廃棄物の収集運搬においてよく利用されています。またバッカンはこの特徴から、脱着式コンテナと呼ばれることもあります。
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2. バッカン(コンテナ)で保管しやすい産業廃棄物
バッカンは、産業廃棄物の収集と運搬を一気通貫で行うことを得意としている特性上、下記の条件を満たした産業廃棄物の保管に向いています。
- 一度に大量に排出される産業廃棄物(満杯になるのに時間が掛かるものでは非効率なため)
- 一定の重量はあるが、重すぎない産業廃棄物(軽いと安定して運ぶことができず、重すぎると車両の走行が難しくなるため)
- 液体や酸など以外の産業廃棄物(バッカンは鉄製で、腐食に弱いため)
そのため、バッカンが用いられるシーンの多くは建設現場や解体現場が多くなっており、そこで排出された大量の金属くずや木くず、石膏ボードなどが、バッカンによって収集運搬されます。
3. バッカン(コンテナ)での保管方法
バッカンで産業廃棄物を保管する際、多くは収集運搬のための一時的な保管、仮置きとなるケースが多いでしょう。
しかし、廃棄物処理法には仮置きの概念はないため、通常の保管と同じ基準を守る必要があります。
産業廃棄物の保管に関する基準は、以下のように定められています。
- 保管場所の周囲に囲いを設ける
- 産業廃棄物の保管をしている旨を記した掲示板を設置する
- 飛散や流出、地下浸透や悪臭発散を防止するための措置を講じる
- 公共水域・地下水の汚染を防止するめの措置を講じる
- ねずみや蚊、ハエといった害獣・害虫が発生しないように対策をする
- 屋外で容器に入れずに保管する場合は、基準を超える高さまで積まないようにする
- 石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物などの特別管理産業廃棄物は、他の産業廃棄物と混ざらないようにする
特にバッカンの場合、上部が開いた作りになっているものが一般的であるため、雨などが入らないようにしたり、外部からゴミを投げ入れられたり、有価物の保管の際には盗まれないようにしたりなど、しっかりと対策をするようにしましょう。
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4. バッカン(コンテナ)での運搬方法
バッカンを運搬する際は、バッカン運送の専用車であるアーム式脱着装置付きコンテナシステム車でバッカンを引き上げ、車両の背中に載せる形で運びます。
車両後部からアームが伸びる形になるため、バッカンを用いて産業廃棄物の運搬を行う場合には、これらの作業が行える広さを確保した場所で保管するようにしましょう。またバッカン引き上げの際には、斜め上方に引き上げる形になるため、広さだけでなく、高さにも注意する必要があります。
5. バッカン(コンテナ)のメリット
バッカン及びコンテナを設置する最大のメリットは、大量の産業廃棄物を保管から運搬まで、一気通貫で行える点にあります。加えて、バッカンは鉄製の箱になっているため、産業廃棄物の飛散や流出を防ぐのにも役立つでしょう。また産業廃棄物をそのまま積み上げるよりも、景観保護の観点で優れている点にも注目です。
さらに、バッカンには大きなものから小さいものまでさまざまなサイズがあり、事業場の広さや排出される産業廃棄物の量によってフレキシブルに対応できるのも大きなメリットと言えるでしょう。
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