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災害廃棄物とは

地震や台風など、自然災害に見舞われることが多い日本。そして、災害が起こると発生するのが大量の廃棄物であり、その扱いや処理の方法について、どのように対応すれば良いかわからず困っているという方も多いのではないでしょうか。今回は、災害で発生した廃棄物の取り扱いについて、詳しく解説します。

「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました

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「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました

新しく産廃担当者となった方向けに、廃棄物処理法を中心に知っておくべきことを簡単に紹介します。

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1. 災害廃棄物は一般廃棄物

災害廃棄物とは、地震や台風などの自然災害によって生じた廃棄物のことです。廃棄物は大きく分けて「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に分けられますが、この災害廃棄物については、一般廃棄物として扱われます。

一般廃棄物と聞くと、例えば家庭から排出されるゴミや、オフィスなどから出る古紙などのゴミを想像する方も多いのではないでしょうか。それに対し、災害廃棄物は場合によって大規模なものになるケースも多く、一般的にイメージする一般廃棄物とは大きくかけ離れていると感じるため、産業廃棄物なのではないかと考える方も多いと思います。

しかし、廃棄物の概要や取り扱いについて定めた「廃棄物処理法」の第2条には、「事業活動によって生じた廃棄物を産業廃棄物」という旨が書かれており、産業廃棄物に該当しないものは一般廃棄物とするとされています。そして、当然ながら災害は事業活動には当たりません。そのため、災害廃棄物は一般廃棄物として扱わなければならないのです。

一般廃棄物と産業廃棄物の扱いの違い

一般廃棄物として扱われる災害廃棄物ですが、一般廃棄物と産業廃棄物では、その扱いが大きく異なるため、その違いをしっかりと認識しておかなければなりません。

例えば一般廃棄物の場合、その処理責任は市区町村などの自治体が負うことになりますが、産業廃棄物では排出事業者が負うこととなっており、責任の所在が全くもって異なっています。

また特に注意しなければならないのが、運搬や処分といった処理業の許可も、一般廃棄物と産業廃棄物では別物であるという点です。そのため、産業廃棄物の処理業の許可しか持っていない業者に、一般廃棄物である災害廃棄物の処理を委託してしまうと、不法投棄として法律違反になってしまいます。もちろん、逆もまた然りです。

不法投棄となってしまった場合、廃棄物処理法の第25条14号により、「5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金、又はこれらを併科」されてしまう可能性があります。

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2. 災害廃棄物に対する事前対策

自然災害等を発端とする災害廃棄物は、排出される時期が特定できず、また一度にどれだけの量に対処しなければならないかが明確ではないため、事前にしっかりと対策しておくことが肝心です。

例えば地震対策や水害対策などの災害に対する直接的な対策も大切ですが、企業活動において特に注目すべきなのは、「BCP」です。

BCPとは、Business Continuity Planの略で、日本語では事業継続計画と訳されます。これは、実際に災害に見舞われてしまった際に、いかに素早く事業の復旧と継続ができるかを検討し、対策することを意味しています。

BCPでは、人命救助の方法や避難の方法、従業員の安否確認方法などをあらかじめ定めておくことで、緊急時でも焦らず、素早い対応ができることを目指します。災害は予測ができないからこそ、いくら事前に対策をしていても、被害を受けてしまう可能性はゼロにはなりません。だからこそ事業者は、災害廃棄物の処理も含め、災害に起こった後にどうすれば良いのかも、事前に考えておくことが大切なのです。

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3. 災害廃棄物に関する特別措置

最後に、災害廃棄物に関する特別措置法について紹介します。

この特別措置法は、正式名称を「東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法」と言い、その名の通り平成23年に起きた東日本大震災をきっかけに、閣議決定された特別措置法です。

災害廃棄物は、上でも解説した通り一般廃棄物として扱われるため、通常であれば市区町村が責任を持ち、処理を進めていかなければなりません。しかし東日本大震災では、多くの市町村の行政機能が甚大なダメージを受けたことから、状況に応じて国が災害廃棄物の処理を代行することになりました。

この法律の主な内容は下記の通りになります。

  • 国の責務として、災害廃棄物の処理が迅速かつ適切に行われるよう、自治体に対し支援を行い、基本的な方針や工程表を定め、必要な措置を講ずること
  • 市町村の長から要請に応じて、市町村に代わって国が災害廃棄物の処理を代行
  • 災害廃棄物の処理に関する費用について、国が財政上の措置を講ずることで、市町村負担を軽減
  • 再生利用の推進やアスベスト被害の防止等、広域的な協力要請等の国が講ずべき6つの措置を明文化
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