産業廃棄物の処理に関連する書類の一つに、廃棄証明書というものがあります。この書類は、保管期間が定められているなど、事業者にとって非常に大切な書類の一つでもあります。廃棄証明書について、その概要やマニフェストとの違い、保管期間などを解説します。
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「産廃担当者が知るべき廃棄物処理法」を1冊にまとめました
新しく産廃担当者となった方向けに、廃棄物処理法を中心に知っておくべきことを簡単に紹介します。
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1. 廃棄証明書とは
廃棄証明書とは、処理を依頼した機密文書などが、正しく廃棄されたことを証明する書類のことです。機密文書を廃棄する業者に機密文書の処理を依頼した場合、排出事業者は廃棄する瞬間を直接見ることができません。その代わりとして処理事業者から発行された廃棄証明書により依頼した機密文書が正しく廃棄されたことが証明されます。
この廃棄証明書のフォーマットについては、法律等で定められているわけではありませんので、機密文書を廃棄する業者によってフォーマットが異なっているケースも少なくありません。
また発行形態についても、紙と電子媒体に分かれます。
紙の場合は、機密文書の廃棄処理後に郵送するので手元に届くまでに1~2週間程度を要するのが一般的です。
電子媒体の場合は、電子メールで届くのが一般的ですが、専用サイトにアップロードされたものをダウンロードする場合もあります。
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2. 廃棄証明書とマニフェストとの違い
産業廃棄物に関わる書類として、廃棄証明書と混同されやすいものの一つに、マニフェストがあります。しかし、それぞれの書類が持つ意味は大きく異なっているため、その違いをしっかり把握しておくことが大切です。
まず廃棄証明書とは、先ほども解説した通り、依頼を受けた機密文書を正しく廃棄したことを証明する書類であり、機密文書を廃棄する業者側が発行し、機密文書の排出事業者へと渡されます。
対してマニフェストとは、排出した産業廃棄物が正しい処理経路を辿っているかを確認するための書類であり、産業廃棄物の排出事業者が発行し、産業廃棄物処理に関連する業者へと渡されます。
廃棄証明書とマニフェストは、発行する事業者や発行する目的、発行されるタイミングも異なる、全く別の書類となっていますので、認識の齟齬がないように注意しましょう。
ちなみに、機密文書は廃棄物の種類としては「紙くず」に分類されます。この紙くずは、以下の業種から排出されたものだけが、産業廃棄物として扱われることになります。
- 建設業
- パルプ製造業
- 製紙業
- 紙加工品製造業
- 新聞業
- 出版業
- 製本業
- 印刷物加工業
そのため、例えば出版業から排出された機密文書の処理を業者に依頼する場合は、マニフェストの発行が必要になります。しかし、上記以外の飲食業などから排出された機密文書の処理を業者に依頼する場合は、一般廃棄物としての扱いになるためマニフェストの発行は必要ありません。
関連ページ:産業廃棄物マニフェスト 関連ページ:紙くずとは
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3. 廃棄証明書の保管方法と保管期間
廃棄証明書は、通常のもので5年間、領収書を兼ねているもので7年間、保管しなければならないとされています。どちらの場合でも、保存期間としては長期になりますので、紛失してしまわないようにしっかりと管理することが大切です。
上でも解説した通り、廃棄証明書の発行形態は業者によってさまざまであるため、仮にメールで送られてきた廃棄証明書であっても、印刷して保管するのがおすすめです。紙の廃棄証明書として一括管理すれば、それだけ探しやすく、紛失のリスクも下げることができます。
領収書を兼ねているものであれば、会計書類と一緒に保管し、会計伝票と連動した通し番号をつけておけば、後から探すときも便利でしょう。領収書を兼ねていないものであれば、紛失防止のために専用のファイルを作って保管することをおすすめします。
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