3電子マニフェストの導入・流れ

排出事業者が産業廃棄物の処理を外部業者に委託する際は、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付しなければなりません。このマニフェストには、紙マニフェストと電子マニフェストの2種類があり、特に特別管理産業廃棄物を多量に排出する事業者の場合、電子マニフェストの利用が義務付けられているため、該当する企業は早急に導入を進めなければなりません。ここでは、電子マニフェストの導入の流れについて詳しく解説していきます。

01収集運搬業者・処分業者のJWNET加入状況の確認

電子マニフェストは排出事業者、収集運搬業者、処分業者の3者が、日本廃棄物処理振興センターが運営する電子マニフェストシステム(JWNET)に加入しなければ利用することができません。そのため、取引のある業者がJWNETに加入しているかを確認し、未加入であれば加入のための調整をする必要があります。

02加入単位の確認

製造業は排出事業場(工場)単位、建設業は排出事業場(現場)を管轄する本社・支店・営業所単位で加入することになります。どの加入単位が自社に適しているか検討して選択しましょう。
また、加入者サブ番号を最大99件まで設定できるため、1つの加入単位で最大100ユーザーまで同時ログインすることができます。そのため本社が加入し、支店に加入者サブ番号を付与して運用することも可能です。

03料金区分の選択

排出事業者の料金区分は「A料金」と「B料金」の2種類があります。年間の登録件数が2,400件以上の場合は「A料金」の方がお得になります。多量のマニフェストを取り扱う義務対象者は「A料金」を選択することをおすすめします。なお、料金の概要は以下の通りです。

A料金 年額基本料:26,400円 1件当たり使用料:11円
B料金 年額基本料:1,980円 1件当たり使用料:22円

※2020年4月1日時点

04加入手続きの実施

電子マニフェストを導入する場合、日本廃棄物処理振興センターに対して加入手続きを行うことになります。Web申込フォームもしくは書面の申込書で手続きを進めます。

05運用方法の策定

排出事業者、収集運搬業者、処分業者の3者で電子マニフェストを活用するためにも、事前に運用ルールを策定しておく必要があります。ここからは運用の流れや方法について解説します。

記入の流れ

電子マニフェストの運用の流れは以下の通りです。

  1. 排出事業者が廃棄物を引き渡す際に、受渡確認票(書面)を収集運搬業者に渡す
  2. 排出事業者は引き渡日を除いて3日以内にJWNETでマニフェストを登録する
  3. 収集運搬業者と処分業者は該当案件のマニフェスト情報を探し、JWNETで運搬終了報告、処分終了報告、最終処分報告を行う

排出事業者が収集運搬業者に渡す受渡確認票(書面)は任意の伝票となるので、書式や項目などを自由に設定した上で作成します。予約登録を行えばJWNETからマニフェスト番号が印字された受渡確認票を出力することも可能です。
マニフェスト番号とは、数ある電子マニフェストから該当案件のマニフェスト情報を検索・照合する際に利用する番号のことです。英数字20桁以内の任意の連絡番号を利用することもできますが、自動で振り当てられる数字11桁のマニフェスト番号を活用すると便利でしょう。
また、電子マニフェストは引き渡し日を除いて3日以内に登録しなければならないと定められています。本登録がされていないと収集運搬業者や処分業者が終了報告を行えないため、「引き渡しから何日後に登録する」などのルールを策定しておくことをおすすめします。

記入の流れ

予約登録

電子マニフェストは予約登録することができます。予約登録するとマニフェスト番号が印字された受渡確認票を印刷できるようになり、3日以内の登録忘れを防ぐこともできるため、事務手続きの効率化につながります。

06社内関係者との調整

電子マニフェストを稼働させる準備が整ったら、実際に作業を行うことになる実務担当者に向けた説明会を行うなどして、操作方法等について詳しく説明するようにしましょう。

またJWNETは、サブ番号を発行することによって最大100人まで同時にログイン、操作ができるようになります。そのため、場合によって自分の知らないところで誤登録が起きてしまったり、登録した情報を誤って消してしまったりすることもあるかもしれません。

誰が操作をするのか、いつ操作をするのか、誰が確認するのかなど、社内関係者と運用についての調整をしっかりしておくことが大切です。

07電子マニフェスト導入の障害

正しく活用することができれば、業務効率を大幅に改善することができる電子マニフェストですが、その導入に関してはいくつか気をつけておかなければならないことがあります。

電子マニフェスト導入から稼働までの期間

電子マニフェストを導入するためには、JWNETに加入申込みをし、加入契約が成立してからでないと稼働させることができません。加入契約の成立については、通常は申込みの翌営業日となっているため、申込みをしてすぐに使えるようになるわけではないということを覚えておきましょう。

収集運搬業者・処分業者の未導入

前半部分でも説明した通り、電子マニフェストを正しく稼働させるためには、業務を委託する先の収集運搬業者、処分業者もJWNETに加入している必要があります。そのため、例え自社が電子マニフェストに加入していたとしても、委託先の業者が同じように加入をしてくれていない限り、電子マニフェストを利用することはできません。

ちなみに日本産業廃棄物処理振興センターの発表によると、JWNET加入者数は2020年7月時点の数字で、
排出事業者:215,295
収集運搬業者:21,564
処分業者:9,213

となっています。

2020年4月に電子マニフェストの利用が一部義務化されたこともあり、電子マニフェスト化は今後さらに進んでいくと考えられています。

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